最高位戦日本プロ麻雀協会に所属する村上淳プロを紹介します。
所属リーグ:Aリーグ
出身大学:早稲田大学
あだ名:ずんたん
これまで数々のタイトルを獲得する有名プロ雀士の一人です。
小林剛プロと鈴木たろうプロと一緒に「オカルトバスターズ」を結成した過去を持ち、オカルト的な発想をせず、どちらかというとデジタル思考の雀士です。
小林剛プロと対照的に、軽い仕掛けは少なく、メンゼン派。
しかし、必要と感じたら仕掛けることもあり、柔軟な打ち筋が特徴的です。
麻雀に対する姿勢もとてもまじめで、卓に座るとしっかりと背筋を伸ばし、ポンやロンなどの発声もとてもはっきりしています。
解説をさせれば、多井隆晴プロとまではいきませんがマシンガントークを披露し、役満テンパイとかになると自分のことのようにはしゃぎ出すという一面も持っています。
本人も「命懸けで麻雀を打っている」というほど、麻雀に対する情熱が熱く、その分対局中の息遣いも強い打ち手です(よく表情に出ています)。
第42期最高位を獲得
村上プロはこれまで最高位を2回獲得しています(第35期・39期)
2017年は、第42期最高位となり、自身三度目の最高位獲得となりました。
リーグ戦を首位で通過し(平賀プロが出場停止になり、規定により第6節時点で首位だった村上プロが首位として最高位決定戦進出)、決定戦も圧倒的な強さで+257.3ポイントを叩き出して優勝。
間違いなく日本トップクラスの強さです。
RTDマンスリーリーグでの悔し涙
団体を超えた大会にも多数参加している村上プロですが、サイバーエージェントの藤田晋社長が主催するRTDマンスリーリーグに出場しました。
BLACK DIVISION8名とWHITE DIVISION8名に分かれて予選を行い、上位4名ずつ準決勝に進出。
準決勝は8名中4名が決勝に進出するという大会。
日本プロ麻雀連盟をはじめ、日本プロ麻雀協会、RMU、最高位戦日本プロ麻雀協会、麻将連合から有名プロが参加し、AbemaTVで放送されるということで、麻雀好きには大注目の大会です。
最終節はルール上、最終節開始前の総合1位、2位、7位、8位の卓と、3位、4位、5位、6位の卓に分かれます。
最終節開始時点で村上プロは5位。
対戦相手は多井隆晴プロ、白鳥翔プロ、村上淳プロ、佐々木寿人プロの4名となりました。
最終節初戦で瀬戸熊直樹プロが決勝進出当確した以外、最終戦4名が全員進出の可能性が残る状態です。
総合5位の村上プロは、最終戦の結果次第で十分決勝進出が見える位置にいる状態で最終戦がスタートしました。
序盤から寿人プロの連続アガりが炸裂し、6位の寿人プロが決勝進出圏内に。
一時多井プロが5000点台まで落ち込むも、その後持ち直してオーラスを迎えました。
オーラスを迎えた時点で、このまま終われば多井プロと寿人プロが勝ち抜け。
白鳥プロは、寿人プロと7000点差まで詰めれば勝ち抜け(つまりハネツモ条件)。
村上プロは寿人プロを捲れば勝ち抜け。
オーラスまで誰が勝ち抜くかまったく分からない団子レースとなりました。
結果として誰もアガりが出ず流局となり、多井プロと寿人プロが決勝進出となりました。
寿人プロにいたっては、3ラス後の2連続トップで8位からの逆転進出。
多井プロも安堵の表情を見せます。
惜しくもやぶれた村上プロは、終了直後のインタビューで悔し涙がこらえきれません。
「絶対決勝進出するとか言っておきながら、情けない。勉強不足です。命懸けで打っているんですけど。本当に情けない。」と一言。
正直、見ているこちらもつい涙が出てしまいました。
あれだけの実績を残しているプロが、勉強不足と言って悔しがるんですよ。
どこまで高い意識で麻雀を研究しているんだろうか。
命懸けで麻雀を打つということ自体、本当に凄い。
麻雀って、どうしてもギャンブルの側面がぬぐい切れないゲームだと思うんですけど、競技として真剣に取り組んでいるからこそ出る言葉ではないでしょうか。
そして、心底麻雀が好きだからこそ、悔し涙が出たんだと思います。
それだけの気持ちで日々麻雀と向き合っているのです。
村上プロだけではありません。
決勝進出を決めた瀬戸熊プロも、決勝前に、「決勝は命懸けで闘います。立てなくなるくらい全力を出します。」と言っていました。
多井プロも、「自分で言うのもなんだが、これまでの実績は日本トップクラスの成績。5年、10年先も、多井プロが一番と思わせる勝ち方をする」。
みんなそういう気持ちで麻雀と向き合っているのです。
勝つために、真剣に麻雀を研究しているのです。
それだけ麻雀が好きなのです。
RTDリーグを見て、プロ雀士の凄さを初めて分かったように思います。
こんな純粋な気持ちで麻雀を打つプロたちがたくさんいる麻雀の世界。
もっともっと、麻雀が浸透して、メジャーな競技になっていけばいいなと思います。
これからも、プロ雀士たちを応援し、自分も麻雀をもっともっと勉強していきたいと思います。